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そろいよく、品質極良の秋まき極早生品種。一斉収穫、密植栽培に向く
●特性
1. 秋まき極早生で、晩抽性の安定した多収品種です。また、秋まきだけでなく、夏まき年内~早春どりでも品質よく高い市場性が得られます。
2. 球は肥大よく、チャボ球になりにくいです。かたくしまり、尻すきのない偏円球で、肉質がやわらかく、食味は良好です。
3. 耐病性にすぐれ、球尻の腐りは少なく、裂球も遅いので収穫期の幅が広がります。
4. 夏まきにおいては育苗期の耐暑性が強いので育苗しやすく、秋まきでも育苗容易で、越冬期の耐寒性がすぐれとても栽培しやすい品種です。
5. 土質は選ばず、水田裏作でも十分な能力を発揮します。
6. 「金系201号」よりもそろいがよく、一斉収穫に適し、密植栽培にも向きます。
●適応性
暖地の早春どり:
8 月中下旬まきで1~3月どりに適します。1~2月の平均気温が5℃以上の暖地では、9月下旬まきで3月下旬~4月どりにも適します。
中間地の春どり:
暖地より温度の低い温暖地では、9月中下旬まきで4~5月どりに適し、暖地に引き続いて良質の春キャベツを出荷できます。
温暖地の年内どり:
7月下旬~8月上旬まきで10 月下旬~12 月上旬どりに適します。本品種は結球後の耐寒性は弱いので、2~3回強い霜が降ったころには収穫し終るような播種期がよいでしょう。
温暖地の初夏どり:
2月~3月中旬まきで6~7月どりに適し、市場性が高いです。
●播種
秋まきでは抽だいを防ぐため、越冬期(12月中旬~1月下旬)の苗の大きさを本葉14枚(落葉含む)以下で、しかも寒霜害を受けない程度の大きさになるよう、播種期を決めることが大切です。温暖地では9月下旬が標準となり、暖地では苗の生育が進むので9月下旬~10月初旬、北関東などでは9月中下旬が播種期となります。
●育苗
いずれの作型においても健苗育成に重点をおき、とくに秋まきでは堆肥などを十分に施し、根張りのよい苗づくりに心がけます。
●肥培管理
秋まきで異常に苗の生育が進みすぎると、抽だいの危険性が大きくなるので、移植またはズラシを行って調節します。反対に生育が遅れた場合には、かるく中耕して速効性肥料を施し生育の促進をはかります。トレー育苗の場合(128穴トレーを基準とする)では、本葉3~4枚の苗を定植します。この場合、若苗定植となるので播種期を7~10日遅らせます。
●定植
秋まきでは、播種後45日、春、夏まきでは30日前後で、本葉6~8枚の苗を定植します。トレー育苗の場合、播種後日数はこれより7~10日短くなります。外葉は「金系201号」よりコンパクトですので密植栽培にも向きます。栽植距離は60×35~40cm、10a当たり約4,200~4,800株が標準になります。
●病害虫防除
耐病性はかなり強いですが、幼苗期はべと病に注意します。温暖地の夏まきで10月どりの場合、早まきしすぎると、台風などの豪雨により黒腐病のおそれがあるのでむやみに早まきしないでください。また、4~5月どりでは連作圃場の菌核病発生が問題になります。防除のポイントは菌核を畑に残さないことが第一です。
●収穫
品質のよさが本品種の一番のセールスポイントですので、適期収穫に心がけます。春まきで高温多雨期の収穫では、過熟になると品質が低下しやすいのでとくに注意してください。